N・T邸

1階を親世帯、2階を子世帯とした2世帯住宅である。
敷地は、閑静な住宅地。東西の隣地には敷地境界一杯に隣家が建っているものの、南、南東からは、日照、採光を確保することが出来る。
1,2階とも主室であるLDKの仕上げを、漆喰、木質とし柔らかな光に満ちた空間となっている。敷地中央に僅かながら中庭を設けて、個室においても自然の風・光・緑を感じることができるよう図った。

2階のリビング、ダイニングは屋根なりの高天井とし、ゆったりとした気積の中、バルコニーに面して幅広いベンチとするなど、時に応じた居場所を設けている。キッチン横をスタディーコーナーとし、玄関、階段からひと繋がりの空間となっており、時々に家族は顔を合わせ、声を掛け合うことが出来る。

外観はシンプルな切妻屋根の重なりとし、1階を杉板張り押え縁にグレーの木材保護塗装、2階を1階と同系統のグレー色でまとめて、通りに対して落ち着いた佇まいとしている。

敷地は東に旧中津街道に面する住宅地。医院及び住宅(昭和14年築)の建て替えにあたって、座敷だけは何らかの方法で新居に移築できないかとのご相談が始まりであった。その後病院が、南側道路向かいに建築され、旧病院・住宅解体後の敷地利用計画及び住宅設計の依頼である。

夫婦2人のための住まいとして、主な必要諸室は、医師である夫の書斎、 「型絵染」を趣味とする妻の作業室、及び旧住宅の座敷の移設である。
主室であるリビング・ダイニングと、それと繋がる台所、夫の書斎、妻の作業室を屋根下に置かれた箱と見立てて、それら全体を木の架構を表した屋根でおおった。それぞれの居場所を確保しつつも、互いの気配と自然を感じることができ、さらに南庭、坪庭からの光による陰影豊かな空間となるよう図った。

座敷は、解体時に床周り、仏壇、建具等主要部材を保存、再利用し、格式のある座敷として再現することが求められた。
生活部分とはスケール、意匠の異なる座敷をいかにおさめるかに腐心したが、「離れ」として玄関脇に回り込むように配し、切妻屋根の棟を僅かにずらすことにより、内外ともに違和感無く新旧の空間をまとめている。

敷地は糸島半島西部の別荘地、周囲を木々に覆われた急斜面にある。南西に唐津湾を望み、豊かな自然と眺望を感じることが出来る。東京との2拠点の生活をすることとなったクライアントのため、この地の特性を最大限に生かした住居兼仕事場である。

かつて小さな別荘があった道路より約3m高の平場を基本GLとし、扇状に迫る斜面の形状によって、「へ」の字型の平面計画となった。また基礎工事中に敷地全体が、巨大な岩の塊であることが分かった。為に工事は岩との格闘となったが、この建築が森の緑に包まれつつ、地下から突き出た岩の上にあることを積極的に表すこととした。

道路より入口へは石板の階段を岩と木々を回り込むように至る。構成は、1階にLDKと寝室・水回り、その間口一杯にバルコニーを設け、2階に仕事部屋、和室である。各室はその使われ方に応じて、それぞれに相応しい居心地と眺望を楽しむことができる。また各室の繋がり方により、人の動きに応じて様々なシークエンスを生むよう意図した。

主室であるリビング、ダイニングは、海、空、緑に大きく開きつつ、木と漆喰の柔らかな質感に包まれ、ゆったりと寛ぐことができる。リビングは屋根の構造を表した吹抜けとなっており、仕事場へのブリッジが掛かる。離れの仕事部屋には、仕事の合間に移り行く景色を眺め過ごせるよう、窓際にベンチを設けている。和室は光と景色の広がりを抑えた閑かな空間である。窓台は腰掛けるのにちょうどよい高さとしている。
30°折れたプランの折れ点の山側を階段ホールとし、部屋から部屋へはこのやや暗い空間を通って至る。異なる居場所を緩やかにつなぐ余白の空間として機能している。

40年近くに渡り、地域に根づいて診療をされてきた動物病院の建替え計画である。
敷地は、幹線道路から一本入り、住宅、アパート等による漠然とした風景にある。そのような環境にあって、周囲に開きつつも、ふんだんに植栽を施し、煉瓦の透かし塀によって適度に囲うことによって、動物病院としての親しみ易さと安心感のある佇まいとなるよう注力した。
建物正面は、本体に片流れ屋根を下屋状に軒深く一直線に差し掛け、内部は梁、柱、マリオンを表し、ゆったりとした気積を確保した待合室とした。前面をガラス張りとし、緑と木質が調和した明るく開放的な空間である。
正面右にエントランスを設け、ポーチを広くとり、木々に囲われた外待合とした。
診察室は、高い天井の待合室に入れ子状に納まる構成とし、それに繋がる処置室を中心に各室へは無駄の無い効率的な動線となっている。

2階住宅は、広いテラスをコの字に囲む構成によって、プライバシーを守りつつ、内外を繋げ、光や風といった自然を採り入れている。高い傾斜天井のリビング、ダイニングは、キャットウォークを設け、人、3匹の猫、犬にとっても伸び伸びと寛げる空間となっている。