《2011年1月》 RC造+木造 / 敷地:792.75㎡ 延床:143.42㎡
施工 株式会社 北洋建設
写真 Blitz studio
【 第30回 福岡県美しいまちづくり建築賞 大賞 】
「海と緑に浮かぶ黒い木箱」
敷地は、樹木の生い茂る急峻な下り南斜面。
木立の間を透けて船越湾とその先には雷山山系を望むことができた。
その景色を最大限に生かした住居兼仕事場である。
1階鉄筋コンクリート造の箱に、2階片流れ屋根の木造部が4方をオーバーハングして載る。
道路際の既存樹を可能な限り残し、その奥に黒い木箱を樹林に浮かせることにより、道路沿いの景観の保存に努めると
同時に、内部にあっては無二の眺望を獲得している。
入口へは木洩れ日の中、板壁と樹間のブリッジにより至る。
内部は、低い庇とバルコニーの水平ラインにより切り取られた穏やかな内海、眼下に広がる木々の景色に繋がる豊かな
開放感と、木質と漆喰による柔らかで包まれるような安心感のある空間となっている。
樹林に突き出し浮遊感あふれる居間スペース・浴室、春には満開の桜が手にとれるライブラリー、木立の間の仕事場
などなど、各スペースからは、それぞれ様々な海、緑、空を眺め、感じ、飽くことのない時を過ごすことができる。
竣工後6年が経ち周囲の景観、木々は元の姿に戻り、低く抑えた外観は、樹影に見え隠れて静かに凛として佇んでいる。
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