箱崎の家 | 住宅

箱崎の家

《2014年4月》 木造2階建 / 敷地:116.18㎡ 延床:165.29㎡

建築プロデュース プロトハウス事務局
施工 有限会社 筑羽工務店
写真 Blitz studio

【 第9回 建築九州賞 奨励作品 】


-現代の町屋とは-

箱崎は、近世、唐津街道の宿場町として筥崎宮を中心に栄えた地域である。
敷地は、新旧の、マンション、住宅、店舗が混在する「大学通り」から僅かに入った通りに面する。道向かいは昔ながらに道端まで商品を並べる食材屋、隣は古いビルを改装したデイケア施設。老人が語り合う1階は道にオープンとなり、通りが未だ生活空間として機能している。

外観は、点在する古い町屋・界隈の意匠・スケールと合わせ、馴染むよう努めた。
車庫を、シャッターで暗く閉じてしまうのではなく、通りに開かれた明るいオープンスペースとして捉え、また玄関より和室前を「通り土間」のように扱うことで、和室・土間・車庫・通りを繋がりある空間として、暮らしの様々なシーンに活かせるよう考えた。

内部は、限られた敷地であるが、落ち着き、安心感を保ちつつ、環境と緩やかに繋がることで、閉塞感のない住まいとなるよう図った。2階主室は、柱・梁を表した大屋根の懐を内部に生かし、南北に風が抜ける、豊かな広がりのある空間となっている。