《1997年3月》
写真 橋本 征親
「 空間の可能性 」
この建物は日本がまだまだ貧しくとも映画が全盛だった昭和27年ころ、木造の兵舎や倉庫を解体し得られた材料により、映画館として建てられたものだそうである。その後映画の斜陽とともに閉館し、数度の改装の結果4層に仕切られ、1、2階をブティック、3階を自社の事務所、4階を倉庫として使っていた。しかし、天井は低く2階は店舗としての魅力に乏しかった。
そこで今回、4階のすべてと3階の床の大半を取り払い、かつての構造のままの天井を露わにした大空間のブティックを作り出し、さらに単なるファッションフロアとしてではなく、さまざまな目的に対応できる空間として企画された。
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